私の片想い事情 【完】
「あ、あ、あ、亜紀さんっ///」
私はイスに尻餅をつくように座りこみ、耳を覆い隠した。顔はまた真っ赤になっているに違いない。
「相変わらず耳弱いわね~」
「わ、私で遊ぶのヤメテください!」
「ごめん、ごめん。みなみがかわいくてつい♪」
だから、そういうかわいいはいらないって……
私は小さい時から耳が弱点で、家族に触られるのもムリなのだ。美容師さんに耳元の髪をかき上げられるだけでもビクンとなってしまうので、なかなか美容院にもいけない。
友達に言って小・中学校の間からかわれ続けたという過去があるので、それ以来誰にも言わないでいたのに、何故か亜紀さんにはすぐこの弱点がバレてしまい、それ以来二人きりのときはこうやって遊ばれる。
その時の亜紀さんはとびきり魅力的なスマイルで私を翻弄する。