私の片想い事情 【完】
全てのクラスを終え、いつものように戸締りをする。
最近では瀧川君と一緒に帰ることが多かったけど、今夜は彼はゼミの飲み会らしく、7時で上がっていった。
廊下がしんと静まりかえり、事務所のソファに座った私は、一気に疲れを感じた。
まだ今週は始まったばかりだというのに、何だかすごい疲労感。
ぼおっとして動けないでいると、いきなり事務所のドアがガチャリっと開けられた。
「ひゃあ……」
誰もいないはずなのに、ドアが急に開くものだから、私はひどく間抜けな声をだしてしまった。
「みなみ、まだいたのか?」
ドアに傍に立っていたのは、帰ったはずの隼人だった。
ただでさえ、驚いているのに、隼人が急に現れるものだから、私の心臓がばっくんばっくん暴走する。
落ち着け、と自分に言い聞かせ、普通に振る舞う。
「隼人、驚かせないでよ。忘れ物?」
「ああ、まぁ」
隼人の歯切れの悪い返事が帰ってくる。
どうしたんだろう?