私の片想い事情 【完】
私は、隣をチラっと見る。
どうして隼人が隣に並んで歩いているのだろう?
以前と変わらず話せるのは嬉しいんだけど……
そう、前みたいに話せたら、と願っていたのは自分自身だ。
でも―――
「なぁ、腹減ってね?」
一人悶々と考えていると、隼人がいつものように尋ねてきた。あまりにも自然に聞いてくるから、私もついいつものように答えてしまう。
「まぁ、空いていると言えば空いているけど……」
「ラーメンでも行くか?うまいラーメン食いたい。うまいラーメンが」
隼人は片手で携帯を弄りながら、ラーメンの店を検索する。
私は立ち止まり、茫然とその様子を眺めた。
何、この違和感の無さ?
以前と全く変わらないこの感じは何?
私がどう答えていいか戸惑っていると、隼人は溜息をついて、私の顔をのぞきこんできた。
急に隼人の顔が至近距離に侵入し、また心臓が止まりそうになる。