私の片想い事情 【完】
おかしい!
うん、これはどー考えてもおかしい。
確かに高橋君のことは悩みの種だけど、今日もそのことについて落ち込んでいたけど、それ以上に私を悩ませているのは、目の前に立つ、この横柄な男だ。
一番の悩みの種が、悩んでることを相談しろって……
あまりにもバカバカしすぎる。
一度切れた私の堪忍袋は爆発し、私は感情のままに隼人の後頭部を怒ついた。
「イッて。みなみ、何すんだよっ!?」
「何すんだよ、じゃないわよ!それはこっちの台詞よっ!」
「何怒っているわけ?」
訳が分からないと言った面持の隼人に、私はますますムカついた。
「あのさ、隼人君は記憶喪失にでもなったわけ?」
「はぁ?何言ってんの?」
「日曜日の夜のことも、今朝私が言ったことも覚えてないの?」
私は、つい今朝までセンチメンタルな気分でいたことも忘れ、腰に手をあてて隼人を睨み返した。