私の片想い事情 【完】
「亜紀さん、明日から一生懸命頑張りますね」
私はとびきりの笑顔を彼女に向けた。すると亜紀さんは、それに応えるようににっこり笑う。
「当たり前でしょ?これからはしっかり働いてもらうわよ。勿論、月曜日の休みなんていらないわよね?みなみは、隼人の家で至れり尽くせりでゆっくり休んでいたんだから」
「えーっと……」
再度冷や汗がたらたら流れる。
彼女はどこまで知っていいるんだろう?
それに、大体のことは聞いたって、誰に聞いたのかなー、なんて思っていると、先程の感動を薄れさせるような低い声色で言い放った。
「もちろん知っているわよ。隼人の家にいるんでしょ?しかも、毎晩おさかんのようだし。そんな体力が有り余っているなら、休みなんていらないわよねぇ?」
「……ぅ……」
「おめでとう、念願の処女脱皮の相手が隼人で」
目が笑っていない、と思うのは気のせいだろうか?
毎晩ヤッてんなら、仕事来いよ、と言われているよーな気がするのは、私の被害妄想でしょうか?
亜紀さんは、これから馬車馬のように働きなさい、と言い捨て、クラスへと戻っていった。