私の片想い事情 【完】

「隼人、私はここにいるよ?隼人の傍にずっといるから」


私は、そっと隼人の髪を撫でる。


ピクンと揺れる隼人の肩が、まだ彼は不安なんだ、と感じた。


「言ったでしょ?隼人が嫌だって言っても傍を離れないからね」


多分、隼人は好きだと言われるより、傍にいる、そういわれた方が安心する。


お風呂で裸で抱き合っているのに、何だか母親になった気分。


でも、それでもいいの。


隼人が私を必要としてくれるなら。


私は、そっと隼人の唇にキスを落とす。


隼人もそれに応える。


私たちは、自然とお互いを求めるようにキスを交わした。


それは、激しくもなく、恋人のように甘いものでもなく。


お互いの存在を確認するように、慈愛を籠めて。


何だか、今までモヤモヤしていたものが霧が晴れたようにスッキリした。




< 455 / 480 >

この作品をシェア

pagetop