私の片想い事情 【完】
「さ~て逆上せそうだし上がろうかなー」
私は、そさくさと立ち上がり、バスタブに手をかけた。
その時、いきなりその腕を掴まれ、隼人の方へと抱き寄せられた。
ザブンと大きな水音を立ててバスタブに戻される私。
「は、隼人……」
逃れようと暴れるけど、腰をがっちり固定されていて動けない。
「どんな俺でもいいんだろ?」
「えっとー。うー、はい」
首筋に這わされた唇がすごく気になるけど、隼人君は何をしよーとしているのかなー?
「俺、かなり独占欲が強いみたいなんだ」
ちゅっとリップ音を立てて、その唇は背中に移動する。
手が、胸に移動しているのは気のせいじゃないよね?
「……っ……は、やと」
「それこそみなみが他の男の匂いをつけてきたら、気が狂いそうなくらい」
「ん……」
「そこのこと、ちゃんと分かってる?」
背筋を這う唇から洩れる吐息が熱く、胸に移動した手が意思を持ち始めている。それが非常に気になって、問われていることがよく分からなくなる。