私の片想い事情 【完】

そして、ある日、自分の中に燻っていた感情の正体に気付く。


「みなみちゃん、かわいいよなー。俺、今日誘うと思って」

「やめておけよ、ずっと好きな人がいるって話だぜ?皆即座に断わられてるって」


選手コースの高校生の中からそんな会話が飛び込んできた。


は?みなみがかわいい?


誘う?


気付いたら俺は高校生の前に立っていた。


「みなみの好きな男って俺だけど、それでもみなみを誘う?」


自分でも驚いた。


初めて経験する独占欲と嫉妬。


無性にイライラした。


みなみが他の男の目に女として映ることがことが。


いつの間にか、高校生たちは、そさくさと俺の前から消え、その日、みなみはデートに誘われることはなかった。




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