私の片想い事情 【完】
私は大きく深呼吸をし、彼の耳元にふうっと息を吹きかけた。
身じろぎしながら漏れる吐息が色っぽい。
「起きて、隼人!」
「う……ん」
「隼人ってばっ!!」
「うっせぇなぁ、もう少し……」
「仕事に遅れるって!今日から夏休みの特別教室始まるでしょっ?」
「んぁ……っ」
私が肩を揺さぶりながら起こすと、隼人は不機嫌そうに眉根を寄せた。
腕と脚を伸ばし、思いっきり背伸びす姿がまたかわいい。こんな隼人の姿は何度見てもきゅんってなる。
ソファーから無造作に投げ出された長い手足につい視線が行く。
いつも思うけど、何でこんなに足が長いんだろう?
腕も、しっかり筋肉がついているのに、ラインが色っぽい。
あぁ、神様は不公平だ。