私の片想い事情 【完】

「瀧川君、急いで。練習メニューを説明するから」


とりあえず、テンションの高い亜紀さんはスルーして、瀧川君をプールまで来るよう促した。


「今日は幼児のクラス1つと低学年のクラスが2つあるから」

「は~い」

「…………。」


こいつは昨日あれだけ注意したことがわかっていないのだろうか?


「瀧川君、生徒の前でそんな返事したらこのバインダーでぶっ叩くからねっ!」

「以後気をつけま~す」


ボカッ!


殴りたいって思ったら、自然と手が出ていた。どうやら私は思いっきり瀧川君の頭をどついたみたい。


「いったいなぁ……冗談ですって!普通グーで殴ります?」


瀧川君は頭を押さえながら恨めしそうにこちらを見る。


そんな上目遣い……ヤメテ欲しい。



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