私の片想い事情 【完】
「ちょっ……」
「ダメじゃん、女の子なんだから」
お、女の子って、わたし?
そんなこと言われ慣れていない私は、ついポーとなされるがままに手を差し出していた。
「あ~あ赤くなってる」と言いながら、瀧川君は私の手を持ち上げたかと思うと、その赤くなった部分をペロっと舐める。
その動作が余りにも自然で、私は一瞬何が起こったのか分からなかった。
「痛い?」
瀧川君が下からじっと私を覗きこむ。今度は上目遣いじゃなくて―――
じっと瞳を見つめるのはこの子の癖なんだろうか。
どうしても視線が外せなかった。