私の片想い事情 【完】
「しっかりしろ、経験値ゼロ女!」と心の中で自分に言い聞かせるも、心臓の心拍数の上昇は半端ない!
多分、私の顔は首まで真っ赤になっているにちがいなく、そんな私を見て瀧川君の顔がなぜが緩む。
「クス、かわいいなぁ」
「なっ……ひ、人をからかうのもいい加減にしなさい!」
「からかってなんかいませんよ。本当にみなみさんがかわいいと思っただけですから」
「----ッ。」
「みなみさん?」
「その、名前で呼ぶのもやめて……」
「どうしてですか?可愛い名前なのに」
本当に心臓に悪いからやめて欲しい。
冗談だって分かっている。軽く受け流せばいいのに……
でも、そんなことを言われ慣れていない私は、どう反応したらいいのかわからない。
バカにされている、からかわれていると思っても、何を言っても墓穴を掘りそうな私は、「プールに行くわよ」と消えそうな声で返すしかできなかった。