私の片想い事情 【完】
プールサイドでは私服に着替えた隼人がまだ残っていた。もう午前中のクラスは終わったはずだけど。
「隼人?」
「おう!」
「お疲れ様です。西崎さんどうしたんですか?」
「二人ともいいところに来た!俺のゴーグル探してくれ!」
それって、一昨日私が買ってきたやつじゃないのだろうか。
「どこに置いたのよ?」
「それが分かってたらお前らに頼まないって」
悪びれもなく笑っている隼人に、その笑顔がかわいいと思ってしまうのは惚れた弱み。
「早く探せ、俺のゴーグル」
「もう、何その態度!こっちは時間ないのに。しかもそのゴーグル新しく買ったばかりじゃないの?」
「そ~なんだよなぁ~」
「ったく……いい加減なんだから」
「西崎さん変わりませんね~」
「おい、カズ!お前も笑ってないで探せ!」
自分が悪いくせにこの人使いの荒さ。私にだけじゃないみたい。