私の片想い事情 【完】
ドキン―――
「えっ?な、何でもない。ちょっとぶつけたの」
さっきのことを見られていた訳でもないのに、私はつい隼人の手を振り払い、手の甲を隠してしまう。
このドキドキは、隼人に触られたから?それとも―――?
隼人は「ふ~ん」と言いながらどこか不可解な顔をしている。
そして、ふと瀧川君を見れば、私の方を見てクスクス笑っている。
「―――ッ」
絶対にバカにしている。
わかってる。小学生でもこんな反応しないに違いない。
また顔が赤くなりそうになり、私は咄嗟に話題を変えた。