私の片想い事情 【完】
視線を外せないまま、ちょっと背を引いて距離を取る私にかまわず、瀧川君は真面目な顔のまま話し出した。
「俺これでも教員目指しているんですよ」
「そうなんだ。以外」
「本当失礼だなぁ~」
失礼なヤツに失礼って言われたくない、と私は心の中で呟くが、心の中を読まれたのか、瀧川君がプッと笑った。
ますます失礼なヤツ!!
「3年になると実習が多くて中々バイトもできないし、ここならちょうど夏休みだけだし、いい経験にもなりますしね?」
へぇ、以外にそのなさそうな頭で考えているんだ。
また思ったことが表情に出ていたのか、瀧川君が苦笑しいてる。
でも、こいつのこんな顔は貴重かも。
「瀧川君はもう水泳はしないの?」
ふと疑問に思い、聞いてみた。
西本さん情報だけど、確か15年水泳をしてたって聞いた。
すごいよね、つい最近まで続けていたんだ。