私の片想い事情 【完】
「ねぇ、みなみさん?」
ドキン―――
瀧川君がかわいい笑顔のまま下から覗き込んでくる。
その距離がさっきよりも近くて、顔がすごく近くまで迫って―――
一瞬呼吸が止まりそうになった。
「―――な、何?」
「この練習メニューだけど。プッ……何そんなに構えてるの?」
「構えてないっ!顔、近すぎっ!!」
私は居たたまれなくなり、顔を背けた。
「ホントみなみさんってかわいいなぁ……」
まだ水が滴る髪をかき上げ、瀧川君はまた私を覗き込んだ。