理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
夕方という、お茶を楽しむには中途半端な時間にも関わらず、沢山のお客さんで溢れる甘味処は…

ペットボトルのお茶のCMがきっかけで、全国にその名を知られることとなった老舗が経営しているらしく、抹茶を使った甘味が人気みたいだ。


「ウチらは袱紗にするけど、アヤちゃんは何にする?」

「一緒でお願いします」

と頭を下げ、オーダーが終わってから…

「ところで、その『ふくさ』って、何ですか?」

と、尋ねてみる。


「袱紗はな、この店のオススメが、少しずつ全種類乗ってくるの。
御祝儀の入った封筒を包む布に、あやかって付けはったから袱紗いうんや。

ちょっとずつ色々楽しめるやなんて、最高やろ?」

ウフフと笑う葉子さんは、

「この店の甘味処はアチコチあるけどな、袱紗は、この駅ビル店だけなんよ」

と付け加えて、

「あぁ~、秀ちゃんも大好物やのに、食べさせてあげた~い。
早く帰ってきますように」

と、祈りだす。


そんな葉子さんに、

「いつまで、ラブラブでいるつもりなん?」

優香さんは、呆れ顔で…

まるで、秀晴さんを見る、イッセイの目に、そっくりだった。
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