理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
「もしもし、アヤ?
今、ホームに降りたトコやねんやけど…
ドコにおるん?」

イッセイからの電話がなったのは、それから間もなく。


「改札口で待ってるよ」

と答えると…

「1分で行く」

そう言ったイッセイは、ハアハアと息を切らしながら改札口をくぐり…

「俺に会いたなったん?」

なんて言うから、思わず笑ってしまう。


「そんなに息切らして…
会いたくなってたのはイッセイの方なんじゃない?」

ちょっとだけイジワルく言ったのに…

「うん、会いたかった」

真っ直ぐに見つめながら、真面目な顔で言うから…
キュンとしてしまう。


「アヤは、会いたならへんかったんか?」

目線は逸らされないまま、どんどんと近づいきて…
返事を待たずに、唇が重ねられる。


私の唇を割るイッセイの舌が、決して離すまいと絡みつく。


イッセイの首に腕を回そうとした瞬間…

「忘れてた!!」

ポンっと頭に浮かんだ出来事に、思わずイッセイを押しのけ、

「イッセイ、お腹空いてない?
疲れてない?
大丈夫?」

一気に捲くし立てると…

「お腹空いたから、アヤが食べたい。

疲れたから、アヤで充電したい。

アヤが急にキスを拒んだから、全然大丈夫やない」

不満げな顔で、イッセイが答えた。


そして、私の腰に手を回すと…

「ほな、とりあえず夕食にしましょか?
一筋縄ではいかん、気難しい姫君」

仕方ないといった表情で、歩き出した。
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