理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
頭に回された左手は、絶え間なく、頭を撫で続け…

私を安心させようと、気遣ってくれる。


相反する右手は、顔の輪郭をなぞりながら…

時々、耳や鎖骨にイタズラして、私の鼓動を早める。


繰り返されるキスは、まるで危険な媚薬の様で…
熱くなった躰は、イッセイの全てが欲しくなる。


こんなにも、欲しいと思ったのは初めての経験だから…

言葉にするなんて、恥ずかしくて、ムリ。


だけど、気づいてほしくて…

言葉の代わりに、深く深く、舌を追い求めて、絡み合って…

イッセイの首に回した手に、力を込めた。


くちゅ。


卑猥な水音を立てて離れた唇に…

『ついに来る』って、覚悟を決めたのに…

唇は額に寄せられて、チュッと可愛い音を響かせるだけ。



「焦らんと…
たっぷり楽しもう?」



瞼に降りる唇が…

優しい口付けを落とし…

両頬に、チュッチュッと、啄むようなキスをして…

鼻先をペロリと舐め上げる。



突然の不意打ちに驚いて、目を見開くと…

「サービス」

と、ペロリと舌を出して、いたずらっ子の様な笑みを浮かべる。


「舐めるなんて…」

抗議しようとしたら

「舐められるのん好きやろ?」

その瞳が怪しく輝いて…

唇を舐めながらキスをして…

耳たぶを甘噛みして、舌先が侵入してくる。


直接響く、ピチャピチャという水音は、羞恥心を煽るけど…

それ以上に、私を興奮させていく。


ふぅっと吹きかけられる、熱い吐息も気持ちいいけれど…

スゥーッと吸われた時には…

全身が逆毛立つくらいの快感が走り抜けるなんて、初めて知った。


潤んだキスはそのまま、首筋へと落ちていき…

右手が首筋を撫で、鎖骨に進んだ指の腹で、クルクルと円を描く。


くすぐったいような、気持ちいいような、甘い痺れが、遠く離れた、腰へと響く。


唇も鎖骨へ降りてきて、舌先が、骨格をなぞるように、舐め上げた。
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