理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
クルリと私を俯せにすると…

うなじにキスしながら、ワンピースのジッパーが下ろされる音がした。


その音に続くように…

プチッと小さく聞こえた金属音と共に、開放感が訪れ…

ブラホックが外されたコトが分かる。


背中から腰まで大きく開かれたはずなのに…

脱がす素振りは見られなくて…

うなじに留まっていた唇が…

舌先の案内で肩甲骨へと降りてきた。


置いてけぼりの熱を慰めるように…

両手が、頭を、顔を、耳を、首筋を撫でる。


「アヤの肩甲骨はキレイやな」

「そんな所を褒められるなんて初めて…」

「キレイやで。
ここから羽を広げて、何処にでも飛び立てそうや」

愛おしそうに、優しいキスを、何度も何度も、両羽に落とす。


それだけで、本当に、何でも出来そうな、何処にでも飛び立てそうな自信が沸いてくる。


嬉しくて、『ふふっ』と笑うと…

「とりあえず今夜は、その羽で俺の上で舞ってもらおかな」

外されたホックの開放感と…

ゾクリとするほどの、甘い囁きに…

再び熱を蓄え始める、躰。


決して規則的ではなく…

むしろ、背中いっぱいをキャンバスに見立てて…

フリーハンドで絵を描く様に…

自由に這い回るのに…

その実、まるで背骨の一つ、一つ、肋骨の一本、一本を…

確認するかの様に、丁寧に舐め上げている舌先。

ただただ、全てに反応しながら…

熱っぽい吐息を漏らし…

甘い嬌声を上げ…

シーツを握りしめ…

イッセイの名前を呼ぶことしか出来ない。


『お願い…
早く…』


そう願うのに…

彼の唇は、やっと腰に辿り着いた所だった。
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