理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
イッセイに手を引かれ、本堂を出ると…

人の流れから外れ、右側に少し上るように進む。


「皆、左の方に進んでるけどコッチでいいの?」

ひょっとしたら、イッセイも同じコトを考えていて、人気の少ない所に行こうとしてるのかな?


『…イッセイになら、ドコで何されてもいいよ』

なんて…

そんなアブナい期待をしていた私の、目の前に現れたのは…



神社。


「この『地主神社』は、縁結びの神様で有名なんや」

ニコニコとしているイッセイとは対照的な…

自分のバカさ加減に、恥ずかしくなる。


「この本殿前には、『恋占いの石』いうのんがあってな…

目を閉じて、片方からもう片方へ辿り着ければ、恋愛成就するって言われてんのやけど…

…って、なんで赤うなってんのや?」

不思議そうに尋ねる、イッセイに…

「な…なんでもないよ。
早くやってみよう」

誤魔化すために、『さぁさぁ』と急かし、石の上に立つ。


『私とイッセイが、この先…
どうこうなるなんて夢みたいなコト、考えちゃいけないって分かってます。

でも、どうか、どうか…
せめて、この3日間だけでも、仲良くさせて下さい』

目を閉じて、神様にお願いしながら、足を進める。



と…



「…着いちゃった」

「…俺も」

ビックリしながら、ふふふっと、二人で笑い合う。


イッセイは、きっと、いつか…

その立場に似合う、女性と結婚するんだろうけど…

家の為だけじゃなく…

本当にイッセイを、大切に思ってくれる人とであって欲しいな。


なんて…
余計なお世話だろうし、私が言うべきコトじゃないんだろうけど。



神様…

イッセイには、そういう人と結ばれるようにしてあげて下さい。


改めて、手を合わせて祈った。
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