理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
地主神社へ上がった道を、同じ様に手を引かれて下り…

再び、本堂の出口に辿り着く。


「奥ノ院の前で写真撮ろか?」

歩きながら、イッセイが指差す先を目で追って…

「あそこ?」

と、同じように指差す。


「せや。
清水の舞台と市街地がバックに入る、ベストポジションなんやで。

いかにも観光ってカンジの写真が、1枚くらいあってもエエやんな?」

自分の携帯を取り出し、私を撮ろうとする。


「それ、私の携帯じゃないんだけど…」

バッグから取り出そうとすると…

「後でメールで送るさかい。
はい、チーズ」

有無を言わさない様子で、そのまま立て続けに2~3枚シャッターをきる。


更に、近くにいたカップルに…

「すみませ~ん。
撮り合いっこしませんか?」

なんて、声までかけて…

恥ずかしがる私を余所に、私の腰に手を回して密着した写真と…

頭を抱き寄せた、いかにもラブラブな写真を撮って貰った。


でも、そのすぐ後に、撮り合いっこしたカップルが、キス写真をリクエストしてきたから…

イッセイは、

「俺も遠慮するんやなかった」

なんて言いながら、悔しそうにシャッターを押してた。
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