理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
『しの原』さんのお料理は、どれもとっても美味しくて…

素材の味を生かして、ゴチャゴチャと手を加えない潔さと…

季節感溢れる盛り付けは…

新しい器が並べられる度に、感動の声が漏れたほど。


特に、鮎の塩焼きは…

一緒盛りできる大きな長方形の長皿に、塩で川の流れを描いて…

その上に鮎が泳ぐように盛り付けられていて、センスを見せつけられた気がした。



食事中は、終始…

秀晴さんと葉子さんの、馴れ初めについてのお話しだった。


秀晴さんと、葉子さんのお姉さんの優香さんが、同じ高校で…

女子高に進学した葉子さんと、優香さんがイタズラで入れ替わってみたら…

秀晴さんが一目惚れしてしまったんだとか。


優香さんが、男性に免疫の無い葉子さんを守る為に…

どんなに、
「入れ替わったりしてない」
って、否定しても…

諦めきれなかった秀晴さんが、ついに家に押しかけて、その場から攫っていったとか。


一目惚れだって、葉子さんに告白したら…

実は葉子さんも一目惚れだったという…

とってもドラマチックなお話し。


それなのに…

「耳にタコができるほど聞いたわ。

だいたい…
俺らの方が、ドラマチックやったやんな?」

と、イッセイが余計なコトを言い出すから…

私達の馴れ初めだなんて、とても言えないような、こうなったキッカケを話すことになってしまい…

「ほー。
それで、あないなコトになっとったんか。

ええオトナがTPOもわきまえんと、発情期では困るで」

と、ご注意を受ける始末。


イッセイが、発情期じゃなかったら…

声なんか、一生かかってもかけて貰えなかったんだろうけど…

改めて人の口から聞かされると、恥ずかしさで小さくなってしまう。
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