中指斬残、捌断ち儀


“こんなことで死ぬだなんて”、と自身の軽率さを棚上げした連中は怒りの矛先を住職へと変えた。


曰く、『きちんと隔離をしていないから』。


子供の手が届く場所に置いておくな、に近いはた迷惑な文句であった。


そこに在るのが悪いんだと、ちょっかいをかけに行った愚行を余所に捨て、住職は非難される。禁忌の子に恐れを抱いていた輩も、ここぞとばかりに不満を口にしたものだ。『出ていけ』と。


歩いてすぐの場所に呪いがあるだなんて気が気ではない、殺してならぬと言うならば、『お前ごとどこかに行ってしまえ』との糾弾は連日連夜続いた。


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