中指斬残、捌断ち儀
タオルがなくなったからと言って左目で見えるものに違いはないが、“右目から、僅かに光を感じた”。
「……」
ますますもって胸くそわりいと、“形成しつつある右目”に藤馬は毒づいた。
絶命に至る部分は人形(ヒトガタ)に代わりをやらせたからこそ生き長らえたが、この目だけは“代わりが利かない”。
「“戻るの早えよ、化けもんが”」
戻ってくるからこそ、代わりが要ら(利か)ない――
見えつつある光を遮るようにタオルを被せたあと、藤馬は壁にあった時計を見た。
午後三時を回ったところか。そういや、腹減ったなと胃の中が空っぽであることを感じて声をあげた。
「おい、無力のビンゾコ。役立たねえてめえ使ってやっから、さっさと来い!」