中指斬残、捌断ち儀
横暴発言もそこそこに、三分以内に来なければこの左目を見せてやろうかともほくそ笑む。
タオルを僅かにずらした状態で待てば、廊下の木が軋む音。
なんだ案外早いじゃないかと扉がない出入り口から来たものにちゃちゃでも入れようとしたが。
「あ?」
「……」
予想と違った人物がそこにいた。
細く高い体型。胸はないくせに女性らしいラインはしていて、自身が言うところの『バックからやりてえ』と思える気の強い目を持った――
「いす……なんだ、奥さまじゃん」
初対面時の名呼びをわざと言い直したのは、五十鈴がこう呼べば嫌な顔をすると分かっていたからだ。
たわいない、茶化し。子猫をつつくぐらいの気持ちで、相手の反応を楽しむのが藤馬の接し方だが――今の五十鈴は、満足行く顔をしていなかった。