中指斬残、捌断ち儀
僅かにしかめっ面をしたようだが、すぐに落ち着かないのかそわそわ気味になる。
何かを言いたげな、でも言えない。いじらしいと言えばそうだが、焦れったい。
そのことについて触れても良かったが、藤馬が先に気になったのは五十鈴の足。
長い足は前開きの浴衣で隠れているものの、松葉杖をついているのならば怪我は完治していない様子。
「それでもその日の内にで歩けるって、どんだけタフなんだよ」
流石は死神か、とお決まりの生意気口に対しても五十鈴は機嫌を損ねた素振りを見せなかった。逆に驚いたように、口が半開きになる。
「その日って……。お前、あれから何日経ったか分からないのか」
右太ももを庇うように松葉杖と左足が動く。唐笠お化けの真似事のような、最初の一歩はそれらしく右足を使わずに移動したが、二歩目からは歩きにくいと言わんばかりに、健側(左)、患側(右)、最後に松葉杖と補助具がまったく意味をなさない使い方をする。