中指斬残、捌断ち儀


春夏秋冬の家――伯母さんと一つ屋根の下にいるというのは、確かに居心地が悪かったけど。


それでも、僕が“住むことを許されるのは春夏秋冬の家だけ”だった。


誰に許しを得たかなんて、伯母さんに決まっている。


『あんたは周りを不幸にする!忌み子はここにいろっ。誰とも関わりを持つな!』


とかを聞かされてしまえば、『僕は他の場所に行ってはならない』と、他の場所に行くことを“伯母さんが許してはくれなかった”んだ。


そんな権利、伯母さんにはないと思えそうだけど、伯母さんの教えは僕にとって是認しなければならないことだった。


しなければ、水をかけられるから。


罵倒と共に、目を血走らせながら、延々と、気が済むまで、伯母さんは僕を“躾てくださる”。


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