中指斬残、捌断ち儀
僕は、反抗期を迎えたことがない。
反抗期――全ての物事が気にくわなく、何かにつけて反抗的な態度になるだなんて、僕にはまったくなかった。
まず、物事が気にくわないだなんてない。僕の中に好き嫌いはなく、あるのは好きか無関心。どうでもいいかどうでも良くないかの二分類で僕は物事を見ていた。
どうでも良くないことは言わずもがな、五十鈴さんのことだったり、伯母さんのことだったりとの生きるにおいて不可欠な要素。
どうでもいいは……ああ、配分できないほどにありすぎました。『どうでも良くないこと以外がどうでもいい』だなんて、ズルい言い回しをしますが、仕方がないんです。
地図を書いた時に、出発点と目的地しか書かないようなイメージ。途中にある目印になりそうな看板やお店、果ては脇道も書かずに、出発点と目的地を一本の線で繋いでいる。