中指斬残、捌断ち儀


「こうしていると、三人家族みたいですね」


父と母と子、だと和やかな空気を持ち込もうとしたけど、「はああ!?」と二人同時にブーイングを受けてしまった。


「こんな旦那など、死んでもごめんだ!」


「てめえみてえなガキなんざ、要らねえよ!」


「私はもっと礼儀正しい男を選ぶっ」


「俺はもっと可愛いげあるガキがいいねっ」


口々に言われたことを何とか聞き取りつつも、「それでも家族みたいだ」と唇を緩めてみた。


藤馬さんはまだ何か言いたげだけど、五十鈴さんが何かを悟ったらしく黙って、最初の位置に正座をする。


「藤馬はともかくも、私は渉の、か、家族だ」


こほんと、大事なところで噛んだのをごまかす五十鈴さん。

< 413 / 1,127 >

この作品をシェア

pagetop