中指斬残、捌断ち儀
「こうしていると、三人家族みたいですね」
父と母と子、だと和やかな空気を持ち込もうとしたけど、「はああ!?」と二人同時にブーイングを受けてしまった。
「こんな旦那など、死んでもごめんだ!」
「てめえみてえなガキなんざ、要らねえよ!」
「私はもっと礼儀正しい男を選ぶっ」
「俺はもっと可愛いげあるガキがいいねっ」
口々に言われたことを何とか聞き取りつつも、「それでも家族みたいだ」と唇を緩めてみた。
藤馬さんはまだ何か言いたげだけど、五十鈴さんが何かを悟ったらしく黙って、最初の位置に正座をする。
「藤馬はともかくも、私は渉の、か、家族だ」
こほんと、大事なところで噛んだのをごまかす五十鈴さん。