中指斬残、捌断ち儀


「私に何かを頼らないのか」


「……」


僕が言葉をなくしていれば、部屋の隅っこから「ぶっ」と何かを吹き出す音がした。


「どんだけだよっ、おい!主人に命令求める奴隷かよ、てめえはっ」


「な、なにを……!私はただ、家族として渉の手伝いになれるようなことがしたいと思っただけだ。支え合い、助け合うのが家族だからな」


「だからって、今の言い方はねーわ。まじねー。命令願望あんなら、俺がすっから、とりあえずわたるんに媚るなっ」


「こ、媚など……っ」


ケンカするほどなんとやらでも、ケンカはケンカだ。また始まったか、と区切りを入れるために、僕が中断させる。


「え、ええと、じゃあ、五十鈴さんは長い年月を生きているみたいなので、昔のことを教えてもらえませんか?」


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