中指斬残、捌断ち儀
頼れと男前な五十鈴さんの申し出を早々に叶えるために、無難なお願いをしてみたが、五十鈴さんが僅かに固まる。
「昔っていうと……、やはり人間の風習とかか?」
「そうですね。どんな感じだったんですか」
「……、その、私はあまり生きた人間と関わったりしなくて……関わったとしても、死に間際でかるく助けた程度の話で……私の管轄範囲はそれほど広くもないし……、だから……」
弱々しい五十鈴さんだなんて、かなり珍しい光景だった。
頼れと言った手前、いきなりできないとなればこうもなってしまう。
五十鈴さんに非はない。人間社会と一線を置く死神に人のことを聞くのはお門違いだったか……文明の利器(ケータイ)を使っているけど。