中指斬残、捌断ち儀
「……、や」
見られた。
見られたことに様々な感情が沸き上がる。
焦燥だったり、恥辱だったり、あとは言葉にできないような、心臓を吐き出せるような吐き気が体全体に回る。
こんなところ、見られたくなどなかった。
見ないで、と思っても、当の人はやけに楽しそうな――映画の盛り上がりシーンにのっているような席を立つつもりはなさそうな顔で、僕を見続ける。
今にも哄笑しそうな口元がゆっくりと動く。
『か』『わ』『い』『そ』
と、最後の『そ』の口が開けたままで、それは決して同情からなる声はつかないと思った。
面白がっての哀れみなど、僕を貶す言葉でしかない。
『かわいそーな、わたるん』
僕がいかに惨めかを僕自身に分からせるようで――ああ、確かに。