中指斬残、捌断ち儀
――
「みぃちゃった、みぃちゃったー、ってか?」
シャワーを浴びたあとに部屋に戻ればそんな声。
言わずもがな、空気が読めない藤馬さんが僕の自室であぐらかいていた。
いつもならば、「来たんですか」と出迎えの言葉なり、もてなす僕だけど、あんなことを見られた後では言うべき言葉が見つからなかった。
「……」
頭に乗せたままのタオルでわざと顔を隠しながら、藤馬さんに背を向けて壁際に座る。
このまま何も言わずに、いつものような他愛ない話をしてくれればいいのに。
「殺しちゃえばー?それとも俺がやってあげるー?」
「……」
どうせやらないだろう、と僕は反応せずにいた。