中指斬残、捌断ち儀


呆れ返ったように言う藤馬さんが、膝を立てた。


「中指の犠牲者は百々全体を呪うもんだが、んな一体の人間に取りついて、そこから周りにーって、一気に蔓延するようなら、もう百々の血筋なんか平成なる前に絶えてんよ、バーカ。

そいつらにも“個体”ってのがあんだ。一体につき一人、呪いたい――もしくは気に入った奴に取りついて恨み発散するなり、こっち取り込んだりって好き勝手やってんだ。

そいつらも、一気に百々を根絶やしにしちゃあつまんねえし、それをやるだけの個体(数)もねえ」


やってらんねぇ、とした姿勢にだらけた藤馬さんが舌打ちをする。


「何でもかんでも呪いのせいにしてんじゃねえよ。んなことだから、“呪いが何たるか”がわかんねえ馬鹿どもが増えんだ。軽いもんじゃねえのによぅ」


……、なんで藤馬さんが「商売あがったりだぜ」みたいな言い方をしているのかが分からなかった。


呪いを使うどころか呪いを作る呪術のエキスパートとして、人の不運が呪いのせいと直結されるのが嫌なのだろうか。



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