中指斬残、捌断ち儀
「あー、さっきわたるんのソレは悪意に攻撃するとか言った気もすっけど、逆言えばそれは“わたるんに何もしなきゃ無害”だかんな。
厳密にゃあ、“理解しなきゃ怖くはない”ってとこなんだが……ま、バカなわたるんに説明すんなら、風邪引いたてめえにディープキスして『風邪引いた、お前のせいだ』って奴はオツムが足りねえってことー。
んで、ただそこにいるだけで『風邪が移った』っていうような、あのババアは脳みそ腐ってんじゃね?」
「……」
分かりやすい例えだけど、もう少しやんわりとした言い方はなかったのか。
感染力がない病原菌でも、見えないからこそ人は危惧し、何でもかんでも病原菌のせいにして、その保菌者(キャリア)たる僕を煙たがるとは、理不尽まみれのよく分かる人間心理だけど。
僕だって、見えないんだ――
藤馬さんがいくら違うと言っても確かめられない僕は、植え付けられた戒めを信じてしまう。
伯母さんの教えというやつを。