中指斬残、捌断ち儀
「でも、何の不便もないから」
「ハッ、不便ねぇ。本当か?そいつは“ここに来た時から、初めから感じなかったのか”よ。机がねえから寝そべって勉強して、首から下が痛くなかったか?
これが自室じゃなくて、居間にあるこたつ机で勉強ならまだ分かるが――てめえは、“この部屋以外に住むことを許されてない”。
俺がいるときは、俺が何かしねえよーに番犬よろしく居間にいられるみてえだが、寛いでねえだろ、ええ?俺が帰ったら早々に、この“何もない不便な自室”に戻るんだからよぅ。
住めば都ってか?不便だらけの部屋でも、慣れちまえば関係ねえらしいなぁ」
「不便じゃ……」
「俺さー、こんな部屋見覚えあんだよ。雑居房って知ってるー?」