中指斬残、捌断ち儀


ルールの守りすぎは、単に出来心がない、人らしからぬ機械と同じだと称された。


「だって、守らなきゃいけな……」


「まーだ言うのかよ。鍵がかかっているわけでもねえ、“自由に行き来できる我が家”の全容を知らねえなんてよっぽどだぜ?

子供ならあまのじゃく心理で、ダメなことをやりたくなってもいいのによぅ。


――まあ、百歩譲ってだ。てめえを“親の理想通りに動くいい子”だとしてもだ、話を戻すが、この部屋はねーよ。

子供部屋なんてもんを見まくっているわけじゃねえが、ああ、子供じゃなくても、ここは“自室”だなんて言わないね。

空き部屋と物置きの中間か?畳の上に教科書やらノートを几帳面に重ねたあげく、着替えまで畳に直置き。唯一の生活臭が布団っだっても、ああして部屋の隅に畳まれちゃ、お客様用のものにしか見えねえよ」


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