中指斬残、捌断ち儀


「“人間扱いされてねえよ、お前。人間なのにな”」


「――」


言葉が、頭を蹂躙していく。


もう聞きたくないと耳を塞ごうとしたのに、爪を切らない不衛生な手が僕の腕を掴む。


「まだ終わってねえぜ。わたるん悲惨説、そのさんー。喜ぶ時と悲しむ時の分別ー。答えろよぅ、わたるん。お前、泣いたことあるか?」


「……、はい」


「いつ泣いた?声出すぐれえな泣き方じゃなきゃ、カウントすんなよ」


「……」


小さい時に、と返そうとしたが、見越した藤馬さんが先に言う。


「もう何年も、声出して泣いてねえんじゃね?」


「……」


「更に言えば、怒るなんてこともしてねえな」


「……」


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