中指斬残、捌断ち儀
“ずっぷり”と、頭蓋骨と脳の間にある膜が侵入した指先で波打ったイメージが湧いた。
這いずる指先が脳の神経を“ちぎって”いく。
喜美子の眼球が左右連動せずに、右目が右を左目が左をと魚のようにぎょろついた。なのに、視界から変なものは消えなかった。
黒いもの。胴体、手、中指がない。顔、顔?分からない、だって“首から上が折れていて”、いや、分かる。見える分かる、だってソレはあたしを見下して、あたしは“見上げている”んだから、顔、顔で全容が姿が有り様が、ああ、そうか。ソレは、コレは、“こいつ”は――
「ひ、ひぃい゛っ」
耳鳴りがひどい、それでも頭には笑い声が。
「あひゃひゃひゃひゃ――!」
そう言って誰かが楽しげに笑うのに、喜美子は憤慨した。
やめろと――
「あひゃひゃっ」
笑うなと――
「あひゃひゃいひゃひゃっ」
うるさいと――
「あひゃひゃひゃやひゃ」
だからもう――
「あひゃひゃひゃやひゃ、めひっ」
やめてくださいって――