中指斬残、捌断ち儀
肩身が狭くないか。
生きる価値がないのに生きてて、“居心地は悪くないか”。
さざめきさん宛ではなく僕にも当てはまること、さっさと死んで楽になれと言い聞かせるような。
「さざめきさんは……違います」
口に出したのは僕のことではなかった。
さざめきさんは僕を自分と同じと言ってくれたけど、ぜんぜん違うじゃないか。
「さざめきさんは無力なんかじゃありません。優しいだけじゃない、“優しくしてくれる人なんですから”……!」
助けてくれた人をどうして無力と言えよう。僕に認められたところでさざめきさんの価値観が変わらないとしても、僕は彼がいたから助かった。
会って間もない、親しいわけじゃないのに、さざめきさんは手を伸ばしてくれた。