中指斬残、捌断ち儀




『うしろの正面、だあれぇ?』






毎夜決まって、“僕が通りすぎた後ろでそう言う”伯母さんは、僕に忘れさせまいと念押しをしている。


戒めとして機能するしかない伯母さんは、僕の不幸せを望むわけだけど――分かっていますよ。


もとよりそれは、僕の在り方です。


大丈夫です、二十歳になるまでにはうんと不幸せになって、二十歳になったら殺されますから。


だからどうか、それまで辛抱してくださいね?


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