中指斬残、捌断ち儀
見えない壁をひたすらに、看破できるわけもないのに、素手でコンクリートを叩けばどうなるかぐらい分かっているはずなのに。
「無視できない、無視しようものなら頭痛すら覚えてしまう。ハッ、本当に重症だ……!馬鹿は死んでも治らないだろうからな!」
左右の手が赤く染まる。
親指除いた八本指の第二関節が擦りむけるないし、砕けた骨が内から肉を貫いているのか腫れていた。
「ぁ……っ、いすず……!」
止めようとしたけれども僕が一歩踏み出せば、拳を出す彼女の手首が本来曲がらない方向に曲がった。
「――」
ぞっとする光景。
悲鳴をあげたのは僕だった。
だって、五十鈴さんは――