中指斬残、捌断ち儀


「まだ分からないかっ、なんで気づかない!私のため、誰かのために自分を捨てるような真似をしているみたいだが――それで誰が笑っていられるんだ!どうして幸せになれるっ、大切な奴が捨てられることで!

殻に閉じ籠るな、周りを見ろっ、お前はもう独りじゃないことを知れ!」


正論が怒声と共に――それだけ本気であると本音をぶちまけた。


「昔を引きずるなとは言わない、だが、もう“昔は戻ってこないんだよ”!振り返ってばかりいるなっ、振り返る暇がないほどに今のお前には大切なものが――見なきゃいけないものがあるだろう!?

殻に閉じ籠っている時じゃないんだよ、今は!お前を大切にする奴らがいて、お前が大切にしたい奴らもいるんだから……!

私――私たちを見くびるなっ、大切なものが傷つけられて黙っているような馬鹿はいないんだよっ!」


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