中指斬残、捌断ち儀


例えそれが、自分の首を自分で絞めるような相手でも――


「そんな奴は嫌いだっ、殴りたくなるほど大嫌いだが――それでも好きなんだよ!嫌なことを言われても、食い違いがあっても、ずっと怒りたくなるようなことを言う奴でも、また一緒に笑っていたいんだ……っ、おま、おまえは、私の大切な家族、だか……」


痛みで泣かない人が、悲しみで涙を流す。


しゃくりをあげた声のあと、大きく息を吸って、また言葉と共に吐き出した。


「些細でもお前が笑えば……嬉しくて、お前が嬉しそうなら私は幸せになれ、て……。ずっと10年間、お前の成長が楽しみで、飽きなくて、これからも見ていたいって、一緒にいたい、って……思って、だから……っ、せめて、しあ、幸せに、なってほし……」


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