中指斬残、捌断ち儀
僕が泣けば、彼女も泣く。
僕が傷つけば、彼も傷つく。
僕が辛ければ、みんなも辛い。
こんな単純な公式も分からないでいた。“周りが良いなら自分は捨てていい”と自己犠牲を美談とでも思ったのか、五十鈴さんを泣かした結果が正解だなんて言いたくない。
「辛かった分、いっぱい笑えるような毎日を送らせてやるからな。私が絶対に何とかする、お前にある苦痛は全部殴り飛ばしてやる。
そのお前を傷つけるお前も、お前を殺そうとする奴だって、私がついているから大丈夫なんだよ」
二十歳になったら死ぬ。そんな“ふざけたものに負けるな”と彼女は言うけど、根拠なんかない。はったりに近いことであり、解決策なんかないのだけど――五十鈴さんがそう言ってくれただけで、胸のわだかまりが抜けていく。