中指斬残、捌断ち儀


包帯奥の目が件の呪物を一瞥する。まだしばらく持つなと渉のそばにいない呪物を確認したところで、足元のズタボロを見下した。


切り刻んだわけではないから見た目は土まみれで怪我の具合は分からないが、その“姿勢”でよほどの痛みがあると知る。


藤馬の足首を掴み、腕だけで体を寄せるあたりなかなかだ。きっとしばらくは立つこともままならないだろう。


痛ましい。


「シシッ」


だから、楽しい。


「よう、なに?呪いとけだぁ?一応、確認すっけど。無駄な中指捨てたいのか」


声を出そうとした渉だが咳き込み出ない。しかし代わりに首が上下をし、肯定を表現する。


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