中指斬残、捌断ち儀


ならば何故、重たいと思う?


腕が痛くなってきたからにせよ、“持ち上げた時から場違いな思考はあったじゃないか”。


軽いではなく重たい。対極を真逆にしてしまう理由、軽いを重いと――いいや。



“重くなったな”、って思えたんだ――






「ぼくは、ただ……みんなと生きて、いたい……!」


「――、このっ」


ボールを投げるかのように、渉の体も無造作に捨てた。


参道横にある石灯籠近くに投げ捨てられた渉は、咳込みを続けながらも、呼吸を整えつつあった。


渉の苦しみを望むのならば、安息など根こそぎ奪う。息をさせることも許してはならないのだが、藤馬はしばらくその場に立ち尽くしていた。


< 844 / 1,127 >

この作品をシェア

pagetop