中指斬残、捌断ち儀


首を何周もさせてねじ切ろうとしている。見るのもおぞましい自殺行為、一度死んだならば二度目は死ににくい。


どうにかして、何がなんでも無我夢中に自殺に励む異形たちを――


「莫迦どもが」


真っ先に貶したのは誰だったか。


地の底から腹に響くような低い声。


聞いたもの全てを震え上がらせるような悪鬼の威圧は、地獄から這い上がって来たと言わんばかりに恐々たる気配を身に纏う。


「とう……」


「邪魔すんな、“眠っとけ”」


「っ、う……」


声の主を確認する前に、五十鈴の意識が閉じる。


ただ最後に、


「阿呆ん……」


動いた死体に心配かけさせてと愚痴を溢したが、卒塔婆が砕ける音でかき消された。


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