中指斬残、捌断ち儀
虫袋に穴が空く。溢れ落ちた中指は芋虫のように身動ぎをしていた。
「なー、かっ、ぎ、ぎぎ、ざんざんざんんん?いぎいぃっ」
発せられる奇声は影たちにも聞こえた。
親玉に近い胎児の突如の奇行にどよめく影ら。何が起こったんだと、人間らしくその胎児に近づく者もいた。
落ち着けとたしなめるように、されども胎児は暴れて、腹の中身が空っぽとなるなり、首を引き伸ばした。
もともと骨が折れた首はゴムのようによく伸びる。練り飴がごとく限界まで引っ張り、更にまた首と胴体の分離を計るようだった。
「なに、を……」
首と胴体が個別になって何がしたい。――いや、『何がしたい』だなんて、今まさにやっているではないか。
首をちぎりたい。
腹に穴が空いても“まだ動けたから、次は首を”。
「“死にたがって”……」
いるのかと五十鈴の推測は、すぐに当たりだと気づく。
『い゛、ぎいぃ!』
胎児に近寄った影もまた、己が首を引きちぎろうとしていた。